最近では週刊の少年誌をじっくり読むことがほとんど無くなりました。
目当ての作品だけ読んだら終了と言う感じなので、購入することに魅力を感じなくなっていると言うのもあります。
ジャンプとか目次を見ると、何処を目指しているのかよくわからなくなります。
なので個人的にはチャンピオンの方がじっくり読んでいますね。
その中でも『刃牙道』と『弱虫ペダル』の次に、毎週楽しみにしているのが『六道の悪女たち』です。
エリートヤンキー三郎とかカメレオンとか、ヤンキー物の中でもコメディ色が強めの作品が好きで、こちらもラブコメ要素が入っているので注目していました。
最初はハーレム物かな?と思って斜に構えていたのですが……既刊の中身で語りたいと思います。
話の内容に触れる形になるので、ネタバレ注意!その点ご了承ください。
目次
じっくり読んだ感想
『六道の悪女たち(ろくどうのおんなたち)』は『週刊少年チャンピオン』で連載中の漫画で、作者は『中村勇志』先生。
主人公自身は穏やかな学園生活を送りたいと願いつつも、祖父からもたらされた『悪女にモテる』術で否応無しに問題に巻き込まれていくお話。
嫌味がないハーレム(っぽい)物
女性から特に努力しないでもモテモテになるというハーレムな話は、『小説家になろう』などのネット小説でよくある設定です。
私はそれらを否定はしませんが、安易に好意を寄せる異性が増えて、よくわからないままに囲まれている流れのお話は直ぐに読まなくなります。
『六道の悪女たち』では好意を寄せられることがメインの流れになっているのですが、それをギャグにしたり、本人を含め周囲がそれを理解しているので止めたりと、安易に便利にしていないところがいいですね!
よくわからないけど物凄く好かれて、周囲は皆イエスマンとかそんな話が面白いわけがない。
主人公はどちらかというと『悪女に好かれる』術に対して、迷惑や後ろめたさを感じており、そこに好感が持てます。
また周りに群がってくるモブ女の子達も、かわいいというよりは「確かにこういう子いるよなぁ」なんて思わせるようなのがいいですね!
絵柄は流行ではないけれどそれよりも中身
上の話ともつながるのですが、絵に関しては上手いとは感じませんね。
どちらかというと『トリコ』的な雰囲気で、女の子達もギャルや不良、ヤンキーにスケバンとラノベのキャラクター達のような萌え絵とは違います。
属性は非常に盛られていると思うのですが、このキャラがかわいい!という印象よりも、掛け合いが楽しいという感想を持ったので、そこが魅力でしょう。
中村勇志先生はこの作品が初の連載ということもあり、絵柄は今後安定していくのではないでしょうか。上手いと感じるようになるかは別として。
正直な話、この手の話は人数が増えてインフレすると終わりそうな印象を私は持っており、そこをどうコントロールしていくかが今後気になります。
意外にも王道な少年漫画してる
『悪女にモテる』術はハレームとしてのカギと言うよりも、友達を作るとい点に作用している所が面白いですね。
「女の子は男が守る」という昔気質な男の子をしている主人公に、ブレーン的な役割をしている大佐、癒し系の課長。
弱気でいじめられていた彼らは、時に危ない方向に行く時にはそれを止めますが、最終的に自分の気持ちを優先して突っ走る六道。
それについてきてくれるいい友達です。
また、ヒロイン達もヒロインと言うよりもライバル的な役割を与えられて登場するのがいいですね。
術をきっかけに仲良くなって、最終的には共に敵に立ち向かう関係になる、まさに王道の展開。
友情・努力・勝利の三本柱にラブコメをトッピングした良いストーリーだと思います。
『六道の悪女たち』1巻のお話
六道達の学校での立場や、術を手に入れてから困難に立ち向かうようになるまでのお話。
ヒロインはメインヒロインとなる最強の悪女『向日葵乱奈』、六道の相手は同じクラスでいじめの主犯格である飯沼くん。
飯沼くんはヤンキー漫画でよくある最初のライバルで、仲良くなって最後までついてきてくれるそこそこの強キャラ。
段々と三人に影響されてノリが良くなってくるのが面白いです。
乱奈に関しては、とにかく狂暴で手がつけられないのに六道の前でのみキャラが変わると言う感じで、それ以外ではターミネーターやら鬼やらといった表現が良く似合う人間味が一切ないヒロイン。
ギャップ萌えを踏みつけるかのような人間味が薄い存在で、基本的に話しかけられても無視するし、特に理由なく目に付いたチームを壊滅させるなどとにかく狂暴な存在として描かれています。
モテるようになってもそれを悪用したり調子に乗ったりせず、「女の子なんだから男が助けてあげないと」という基本的なスタンスを確立させている巻です。
正直導入でしかないので、1巻だけ購入しないで2巻もまとめて購入した方がいいと思います。
『六道の悪女たち』2巻のお話
ヒロインは見た目は小学生だけど超強い暴力装置な番長『幼田小百合』で、相手は番長という武器にさせている環境でしょうね。
段々と主人公の周りの環境が作中に出てくるようになり、術の影響でどうなったか?などが割と明るくコメディ感マシマシで出てきます。
『悪女にモテる』術の問題点?というか後ろめたさ?みたいな問題を提起して、それとどう向き合っていくかがバックストーリーなのではないかと。
「助けてください、でも怪我しないでください」という無茶なお願いは、土下座しながら本人が一番わかっているのでしょうね。
それを笑顔で承諾する乱奈さんの愛が重い。
個人的には六道の家に皆で遊びに行く話が好きです。
乱奈さんの異常さ&段々と人間らしくなっている所と、なんだかんだ打ち解けてきているヤンキーとオタク達という構図が素敵。
近所の本屋で見つからなかった話
近所の大型の本屋さんに出かけたのですが見つからず、それじゃあと駅前の小さな本屋さんに出かけたけど見つからず。
1駅くらいなら歩いてもいいかな?なんて軽い考えで隣町に出かけたのですが、そちらの本屋さん2件に足を運ぶも見つからず。
というかチャンピオンコミック自体が、小さい本屋さんだと品揃えが少ないんですよね。
電車で帰ればいいかともう1駅歩いたのですが、そちらの2件でもみつからない。
最初に出かけた本屋と同じ規模があるので、さすがにあるだろうと思ったけどそもそもチャンピオンコミックだと『弱虫ペダル』と『刃牙道』がちょこちょこあるだけで、他がほとんどありませんでした。
最終的に知っている中で一番大きい書店まで出向き、ようやく見つけました。
もしこの記事を読んで興味を持った方、通販のが楽ですよ(遠い目)
『六道の悪女たち』の今後に期待
主人公の六道くんは本当に泥臭い。
本人は弱いし喧嘩もできないけれども、誰よりも男としての熱い心を持っています。
術はきっかけだとしても、最終的には本人の行動力で周りを認めさせていく姿はまさに王道。
ラブコメ的な展開でほんわかしつつも、時に困難で負の感情を煽りつつ乗り越えていく。
今後もどんな悪女が出てくるのか楽しみです。